ある世界には悪魔が居て、人間も居るのだけれど、天使は居なかった。
その世界にはそれは当然のことで、善も無かったら悪も無かった。
この世界には一人だけ、神様が居るのだけれど、その神様は全ての生物に平等に不幸を与える神様が居た。
どの世界にも神様は居るのだけれど、この神様だけは誰にも崇められなかった。
さて、この話はそんな世界の意固地な人間と悪魔の話なのだが、別に人間と人間の話と変わった所は無い。
彼等、いやこの世界にはそんな区別なんて無いのだから。
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ぐるぐる
ぐるぐると終わりの無い事を考えている。
答えが出そうに無い事を考えている。
何故神はこの惑星の支配者を二つに分けたか――
何故二つに分ける必要があったのか――
何故その支配者でなければいけなかったのか――
その人間はずっと考えている。本来ならばすべき事をせずに。
ジャージャーと蝉が鳴いているので夏を終わらそうと考えている悪魔がいる。
仕事をするにはとても耳障りだ。
その仕事も大した事は無いのだが。
その悪魔はこの惑星を消す事だって出来るのだが、あえてしないのはこの悪魔になにも利益が無いからだ。
悪魔というのは気紛れで、遊びに飽きたら次の遊びを探しにどこかに行ってしまう。
その遊びがどんな物であれ。
この世界には善と悪の区別が無い。
だから誰かが誰かを殺そうと、それはただ、殺した人物に利益の無い事。
損な事だというだけだ。
だから、誰が何をしようと、感情があること自体、利益の無い、損な事というだけなのだ。
でもこの世界はそれで成り立ち、どんな世界よりも平和だった。
そんな事、この世界に住んでいる生物がどう思っているかで違うものだろうが。
そんな世界で、この2人が出会った事は奇跡に近い。
世界は必然なのだけど。
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