それは

僕の心を揺さ振るのには十分すぎた。

僕を見る君の

その眼差しも

君の肩に置かれた

その男の手も

その男の

君の見る

哀しみの眼差しも

僕の心を揺さ振るのには十分すぎた。

闇の衣に包まれる君の心も

スリルだけを求める

その手も

子供すぎた

その目も

子供すぎた

この僕の世界も

僕の心を揺さ振るのには十分すぎた。

その眼差し

その眼差しこそが

僕の心を揺さ振る

唯一の

十分すぎるものだった。

たとえば

肩を揺さ振るように

僕の心を揺さ振った。

子供すぎた

子供すぎた

僕は

こどもすぎた。

君の肩に手を置くその男が

僕の心の中で

僕に微笑んだんだ

END.

（C）ディライト